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コラム

隠蔽配管のエアコンの「ドレン勾配」が取れないと言われたら?ポンプアップキット活用術

「エアコンを交換しようとしたら、『配管の勾配(こうばい)が取れないから取り付けできない』と断られてしまった」
「今の配管穴の位置が高すぎて、新しいエアコンだと水が流れないと言われた」

隠蔽配管(いんぺいはいかん)のエアコン交換で、技術的に最も難しいのがこの「排水(ドレン)の勾配問題」です。
水は高いところから低いところへ流れるのが自然の摂理ですが、建物の構造や既存配管の状況によっては、この「流れ」を作れないことがあります。

しかし、そこで諦める必要はありません。重力に逆らって水を流す「ドレンアップキット(ポンプアップキット)」という秘密兵器を使えば、他店で断られた工事も可能になるケースがあります。

今回は、隠蔽配管の最終手段とも言える「ドレンアップ」の仕組みと、その活用術について解説します。

なぜ「勾配」がないと工事できないのか?

エアコンは冷房運転時に、空気中の水分を結露として大量に排出します。これを外に出すのが「ドレンホース(排水管)」です。

通常、ドレン水は「自然排水(重力)」で流します。
そのため、エアコン本体から外の穴に向かって、配管が「下り坂(1/50〜1/100の勾配)」になっている必要があります。

隠蔽配管で起きるトラブル

しかし、壁の中に埋まっている隠蔽配管では、以下の理由でこの「下り坂」が確保できなくなることがあります。

  • 新しいエアコンのドレン出口が低い: 昔のエアコンより今のエアコンの方がサイズが大きかったり、ドレン穴の位置が低かったりして、壁の穴の方が高くなってしまう(=水が逆流する)。
  • 壁の中で配管がたわんでいる: 経年劣化や地震の影響で、壁の中のドレン管が波打ってしまい、水が溜まる箇所ができている。
  • 梁(はり)などの障害物がある: 構造上、どうしても配管を一度持ち上げないと外に出せない。

この状態で無理に取り付けると、排出されなかった水がエアコン内部から溢れ出し、部屋中が水浸しになる「室内漏水」を引き起こします。だからこそ、量販店などの一般的な業者は「施工不可」と判断するのです。

「重力」に逆らう解決策:ドレンアップキット

ここで登場するのが、空調専門店の奥の手、「ドレンアップキット」です。

これは、エアコンの横(または天井裏)に設置する小さなポンプ装置です。
エアコンから出た水を一度このタンクに溜め、ポンプの力で機械的に上へと汲み上げます。
一度高い位置まで水を持ち上げてしまえば、そこから先は急角度で下り坂を作れるため、スムーズに排水できるようになります。

ドレンアップが活躍するシーン

  • 配管穴の位置が高い場合: 水を一度持ち上げてから穴に通せるため、逆流しません。
  • 地下室や半地下の部屋: 排水場所(地面)より部屋が低い場合でも、ポンプで地上まで水を押し上げられます。
  • 配管ルートが長い場合: 勾配が緩やかすぎて水はけが悪い場所でも、勢いよく流せます。

導入前に知っておくべき「メリット」と「デメリット」

種類

非常に便利なドレンアップキットですが、導入にはいくつか注意点があります。

項目内容
メリット・「施工不可」を覆せる: これがないと付けられない場所にも設置可能になります。
・水漏れリスクの低減: 強制的に排水するため、配管の詰まりや逆流が起きにくくなります。
デメリット・見た目が変わる: 壁掛けエアコンの横に、お弁当箱サイズくらいの「白い箱」が設置されます。
・動作音がする: ポンプが水を吸い上げるモーター音が多少発生します。
・コストがかかる: 部材費と設置工事費、場合により電源工事費が追加になります。

まとめ:諦める前に「強制排水」の検討を

「勾配が取れないから、壁を壊して配管をやり直すしかない」
そう言われて高額なリフォーム費用に頭を抱えている方は、一度「ドレンアップキットでの対応は可能ですか?」と専門店に聞いてみてください。

壁を壊すことなく、今の隠蔽配管ルートを生かしたまま、安全にエアコンを設置できる可能性があります。

当店では、住宅用エアコンへのドレンアップキット設置実績も多数ございます。「うちは付けられる?」という疑問があれば、お部屋の写真をお送りいただければすぐに診断いたします。

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